欧州委員会が2021年7月14日に示した法案の一式で、名前は2030年に温室効果ガスの正味の排出を1990年比で少なくとも55%減らす目標に由来する。欧州グリーンディールと欧州気候法の目標を、具体的な制度に落とし込むためのものとされる。
主な中身は、排出量取引制度(EU ETS)の強化と海運への拡大、建物・道路輸送の新しい排出量取引(ETS2)、炭素国境調整措置(CBAM)、社会気候基金、再生可能エネルギー指令とエネルギー効率指令の改正、乗用車・小型商用車のCO2基準(2035年に新車の排出100%削減)、航空燃料のReFuelEU Aviation、船舶燃料のFuelEU Maritime、代替燃料インフラ規則などである。
理事会は2023年3月に努力分担規則と土地利用・林業の規則を、4月にEU ETSの改正とCBAMを含む5本の法を採択した。FuelEU Maritimeは2023年7月、建物のエネルギー性能指令は2024年4月、メタン規則と水素・脱炭素ガス市場パッケージは2024年5月に採択され、法案の大部分が成立した。
成立後も見直しは続いており、乗用車のCO2基準は2025年に改正され、ETS2の開始は2040年目標の合意にあわせて2028年に遅らされた。水素については、改正再エネ指令(RED III)で産業や交通での再エネ由来水素(RFNBO)の利用目標が定められた。
出典: Council of the EU「Fit for 55」、Council of the EU「Timeline - European Green Deal and Fit for 55」