パリ協定6条は、各国が協力して排出を減らし、その削減量を自国の NDC の達成に使えるようにする仕組みを定める。6条2項は国どうしが合意して削減量(ITMO、国際的に移転される緩和の成果)をやりとりする二国間の方式、6条4項は国連が管理する「パリ協定クレジットメカニズム」(PACM)、6条8項は市場を使わない協力である。
細則は2021年の COP26(グラスゴー)で大枠が決まり、2024年の COP29(バクー)で6条2項・6条4項・6条8項についての4つの決定が採択され、市場メカニズムを動かすのに必要な合意がそろった。削減量を移した国は自国の排出量に足し戻す「相当調整」を行い、二重計上を防ぐ。
6条4項の監督機関(12人の委員)が方法論の策定や活動の登録を担い、最初の方法論(埋立地ガスの燃焼・利用)は2025年10月に承認された。UNFCCC の2026年の資料では、CDM(京都議定書のクリーン開発メカニズム)からの移行分を含め約2,678件の活動が手続きに入り、35件が登録され、うち2件がクレジットの発行を受けた。日本の二国間クレジット制度(JCM)は6条2項に沿った取り組みである。
出典: Oxford Smith School「Article 6 in focus: Outcomes from COP29」(2024)、UNFCCC「Article 6.4 Supervisory Body」、UNFCCC「Accelerating A6.4 Engagement」(2026)