バイオガスプラントでは、原料の有機物の一部がメタンと二酸化炭素に変わり、残りは液体として発酵槽から出てくる。これが消化液(発酵残さ)だ。原料に含まれていた窒素、リン、カリウムなどの養分は多くが消化液に残るため、肥料として使える。においが原料より弱くなり、雑草の種や病原菌が減る点も、ふん尿をそのまままくより扱いやすい理由とされる。
使い方
- 液肥としての散布:牧草地や畑にそのまままく。酪農地帯では、ふん尿を発酵させて消化液を牧草地に戻す循環がつくられている
- 固液分離:固形分を分けて堆肥や敷料(牛舎の寝床)に、液体を液肥に使う
- 水耕栽培の養液:成分を調整して、トマトなどの養液栽培に使う試みもある
- 水処理して放流:近くに使う農地がない都市部の施設では、排水処理をして川や下水に流す
課題
消化液は量が多く、水分がほとんどのため、遠くまで運ぶと輸送費がかさむ。肥料が必要な時期は作物ごとに限られるので、使えない季節の分をためておく貯留槽も必要になる。畑で使えない分を水処理する場合は、窒素などを取り除く設備の建設費と運転費が大きく、プラント全体の採算を左右する。
食品廃棄物を原料にするプラントでは、包装材などの異物の混入を防ぐことが、肥料として使えるかどうかに直結する。肥料として販売・譲渡するには、肥料の品質に関するルールに沿った成分の確認も求められる。
BLUE NOVAの見方
消化液を「処理しなければならないもの」と見るか、「地域の肥料資源」と見るかで、プラントの設計も採算も大きく変わる。輸入に頼る化学肥料の価格が上がるなか、農業側との連携まで含めて計画されているかが、新しいプロジェクトを評価するポイントになる。