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京都大学、MOFガラス膜で水素製造へ一歩 廃水蒸気で作動する膜材料

工場の廃水蒸気の温度で働く膜材料を京都大学が開発した。排熱を水素製造に生かす研究の一歩である。

BLUE NOVA編集部

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京都大学、MOFガラス膜で水素製造へ一歩 廃水蒸気で作動する膜材料
写真はイメージ / 写真: John Patrick Stephen Mowat / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons ライセンス

京都大学

京都大学は、MOF(金属有機構造体)をガラス膜の形に加工した材料を応用し、工場の廃水蒸気の温度で作動する膜材料を開発したと発表した。水素を効率よく製造する技術に一歩近づいた成果である。これまで捨てられていた排熱を活用する方向を示した点が特徴である。

本研究の材料は、MOFと呼ばれる、金属イオンと有機分子が規則正しく結合した多孔質の材料を膜の形にしたものである。MOFは内部に非常に細かな穴を持ち、特定の分子だけを通す性質を設計しやすいことで知られる。ガラス膜の形にすることで、膜として扱いやすくなる点も特徴である。

水素は、もっとも軽い元素であり、単体では水素分子として存在する。工業的には天然ガスの水蒸気改質や、水の電気分解などで製造される。化石燃料を使う製造では二酸化炭素が出るため、再生可能エネルギーや排熱を使う方式が脱炭素の観点から注目されている。

膜を使った水素分離は、混合ガスの中から水素だけを選んで通す仕組みである。水素を通す膜は、分子の大きさや材料との相性によって透過性が決まる。高温で作動する膜は多いが、工場の廃水から出る水蒸気は比較的低い温度であるため、そのままでは使いにくいという課題があった。今回の材料は、その温度帯で働く点が新しい。

工場では蒸気や温水の形で多くの熱が排出されているが、多くは有効に使われず捨てられている。こうした排熱を水素製造の動力として生かせれば、新たな燃料を燃やす必要を減らせる可能性がある。ただし、膜の耐久性、量産時のコスト、実際の廃水成分への耐性などは、今後の検証が必要である。

水素の利用では、燃料電池車や産業用の燃料、化学原料としての需要が見込まれている。製造段階での二酸化炭素排出を抑えることは、水素を脱炭素の手段として位置付けるうえで欠かせない条件である。今回の成果は、その製造方法の選択肢を広げるものと位置付けられる。

今後は、膜の性能や長期の安定性を実際の運転条件に近い環境で確かめることが焦点となる。研究が進めば、工場の排熱を地域の水素供給に結びつける方式の検討にもつながる。

BLUE NOVAの見方

この研究の意味は、水素製造の熱源として、これまで捨てられてきた工場の廃水蒸気を使える可能性を示した点にある。水素は使う時に二酸化炭素を出さないが、作る段階で化石燃料を使えば排出が生じる。製造を排熱で行えれば、その問題に別の角度から取り組める。ただし、ここで示されたのは材料の開発段階であり、実用化までには耐久性やコストの確認が必要である。読者は、水素を「作り方」から見直す研究として捉えると理解しやすい。

出典・詳細 京都大学の記事を読む

この記事は、配信元の報道をもとにBLUE NOVA編集部が書いています。AIを記事の執筆の補助で使用しています。詳しい内容は出典の記事をご確認ください。

この記事の用語

燃料電池
水素と酸素を反応させて電気をつくる装置。
水素
水素は、もっとも軽い元素です。

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