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家庭用蓄電池457台を群制御し、東京電力管内で初の下げDRを実施
東急パワーサプライが2026年10月21日の電力需給ひっ迫に対応し、累計787.5kWhの需要抑制型放電を実施した。
BLUE NOVA編集部

PR TIMES
東急パワーサプライ(東京都世田谷区)は、家庭用蓄電池「てるまるでんち」457台を遠隔で群制御し、2026年10月21日に発生した全国的な電力需給ひっ迫に対応して、累計787.5 kWhの「下げDR」(需要抑制型の放電制御)を実施したと発表した。商用ベースで家庭用蓄電池を群制御し、電力供給不足に連動して下げDRを行った事例は、同社調べで東京電力管内で初めてとなる。
「てるまるでんちプロジェクト」は、東京都の「家庭における蓄電池導入促進事業」を活用して推進する取り組みである。今回の制御対象は、同日時点でシステムへの接続を完了していた457台で、これらを群として連動させ、放電を制御した。個々の住宅の蓄電池を束ねて一つの調整力として扱う仕組みで、需要が増える時間帯に電力の使用を抑える効果を狙う。
ひっ迫の背景には気象条件があった。10月21日は発達した低気圧が通過し、多くの地点で季節外れの真夏日(最高気温30℃以上)が予想された。実際に東京の最高気温は30℃を観測した。西日本ではインバランス価格が、今年10月1日に引き上げられたばかりの上限値である300円/kWhに張り付き、広域予備率は3%を切る状況だった。
東京電力エリアでも需給ひっ迫が想定されていた。10月19日には東京電力パワーグリッドが「電力需給の見通しに関する臨時情報」を出しており、発電設備をもつ事業者に対して発電余力の供出を求める可能性があった。電力需給の逼迫時には、こうした需給調整の要請が出ることがある。
下げDRの仕組みを説明する。電力需給は供給と需要を常に一致させる必要があり、需要が供給を上回ると周波数や供給の安定が損なわれる。需要抑制型のDRは、需要家側の電力消費や放電量を調整して、需給の差を縮める手法である。家庭用蓄電池は、蓄えた電力を需給ひっ迫時に放出できるため、この調整力として活用が見込まれる。
今後は、今回の実績をもとに、群制御の対象台数の拡大や、ひっ迫時以外の運用の在り方が焦点になると考えられる。家庭用蓄電池を持つ住宅が増えれば、需給調整の担い手が広がる可能性がある。一方、制御に参加する世帯の合意や、放電後の蓄電残量の管理も課題になる。
BLUE NOVAの見方
今回の事例は、家庭用蓄電池を個別に運用する段階から、複数台をまとめて需給調整の資源として扱う段階へ進んだことを示す。需給がひっ迫する時間帯に、住宅の蓄電池が需要側で調整力として機能しうることを、商用ベースの実績で確認した点に意味がある。今後は台数の拡大と、参加世帯の合意や蓄電残量の管理をどう両立させるかが、同種の取り組みの広がりを左右するだろう。
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