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社員の廃食油をバイオディーゼル燃料に再生し事業で活用
滋賀県高島市の桑原組が、社員から集めた使用済み食用油を地元企業でバイオディーゼル燃料に再生し、自社の建設機械などで使う取り組みを2026年9月に始めた。
BLUE NOVA編集部

PR TIMES
滋賀県高島市に本社を置く株式会社桑原組は、2026年9月から社員の家庭などで出る使用済み食用油の社内回収を始めた。回収した廃食油は、同じ高島市今津町の有限会社橋本燃料に届けられ、バイオディーゼル燃料へ再生される。同社が2026年10月14日に発表した。
桑原組は、社内に使用済み食用油の回収BOXを設置し、社員が家庭で発生した廃食油を持ち寄る仕組みをつくった。集められた油は橋本燃料で精製され、バイオディーゼル燃料になる。これまで廃棄されていた油を資源として戻す流れである。
再生された燃料は、桑原組のアスファルト合材工場で材料投入に使うタイヤショベルや製造設備、そして同社が所属する企業グループのゴルフ場で使う管理用トラクターに充てられている。回収から再生、現場での使用までを地域内で完結させている点が特徴である。
桑原組は以前から、橋本燃料が製造するバイオディーゼル燃料を事業活動で使用していた。今回の取り組みは、その燃料の原料を社員の廃食油でまかなう仕組みを新たに加えたものである。既に燃料を使っていた関係があったため、回収先と再生先を地域で結びつけやすかった。
バイオディーゼル燃料(BDF)は、植物油や廃食油の脂肪酸をメタノールと反応させて作る軽油代替燃料である。廃食油を原料にすれば、新たに植物を栽培する必要がなく、廃棄物の再利用になる。一般に、燃焼時に排出される二酸化炭素は原料の植物が生育時に吸収した量と見なされるため、化石燃料の使用削減につながるとされる。
一方で、回収量や精製の効率、燃料としての品質管理が事業の継続性を左右する。社内回収は社員の協力に依存するため、参加の広がりと安定的な量の確保が今後の課題になると考えられる。今回の発表では回収量や削減量の具体的な数値は示されていない。
桑原組は、地域の企業同士が連携して資源を循環させる取り組みとして今回の仕組みを位置づけている。今後、回収の範囲や利用する現場が広がるかどうかが注目される。
BLUE NOVAの見方
廃食油の回収から燃料への再生、現場での使用までを一つの地域内で閉じることは、資源循環を実務として回す現実的な形の一つである。すでに取引のあった燃料製造会社と組み、社員という身近な回収源を加えた点に、この取り組みの特徴がある。大きな設備投資を伴わず、既存の燃料利用を広げる形で始められた点は、同じように廃食油を扱いたい中小事業者にとって参考になる。ただし、回収量や燃料の削減効果は公表されておらず、取り組みの規模を評価するには今後の数値の開示が必要になる。地域の資源を地域で使う仕組みがどこまで広がるかが、この事例の意味を決めるだろう。
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